2009年06月16日
五嶋みどりのパガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番/チャイコフスキー:「憂鬱なセレナード」「ワルツ・スケルツォ」
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五嶋みどりのヴァイオリン、スラットキン指揮ロンドン響が、実に切れの良い名演を聴かせる。
五嶋はパガニーニを単に技巧的な作品として再現せず、イタリア風の歌に溢れた美しい音楽として演奏しているのが特色といえよう。
スラットキンの見事な支えに乗って、のびのびと若い個性を発揮させている。
これを録音したときはまだ15歳だったが、決して幼さとか可愛らしさといった少女の面影がなく、完全なアダルトのヴァイオリニストとして成熟した演奏に終始しているのは、驚嘆に値すると思う。
第1楽章の満を持した自信たっぷりな出と間の感覚はまさしく大人のもので、15歳の少女の演奏とは思われない。
音色には粘りがあり、巧みなポルタメントは堂に入り、エコーの優しさ、美しいレガート、エレガントな歌など表情がとても豊かで驚嘆ものだが、上品さと格調を失うことはまったくない。
スラットキンの指揮も充実度満点の伴奏ぶりで、オーケストラを充分に鳴らし、豊かなエネルギーを引き出しており、トランペットの生かし方などが実に楽しい。
チャイコフスキーの2曲も落ち着いた演奏で素晴らしく、音と表情がどこまでものびていく感じで魅力的だ。
これはヴァイオリン音楽の傑作CDといえる。
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