2009年06月16日

パールマン&ジュリーニのベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲/パールマン&ハイティンクのブルッフ:ヴァイオリン協奏曲


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ベートーヴェンは、この曲の旋律的な美しさをあますところなく表出した演奏である。

パールマンの技巧は完璧そのもので、しかも豊かで美しい音色はこの上もなく魅力的だし、また演奏のスケールも大きく、ヴィルトゥオーゾの貫録を漂わせている。

終始自信に満ちた演奏で、どの部分をとっても楽器が完全に鳴り切っている。

旋律はよく歌い、音色は明るく艶やか。情感にも富んでいて、瑞々しい抒情性も失わず、音楽があくまで自然に豊かに溢れ出てくる。

無駄のないボウイングは緻密で清らかな音を生み出し、それが明快なフレージングと結びついた演奏は、実にのびやかで同時に引き締まっている。

これほど豊かに歌わせ、しかも美麗に磨きあげた演奏というのも珍しい。

パールマンの演奏で聴いていると、この曲は少しも難しくなく、きわめてスムーズで美しい音楽に聴こえるから不思議である。

彼の個性が最も効果を挙げているのは第2楽章だろう。

真摯であるがむきにならず、余裕をもって演奏しているため、音楽は豊かな雰囲気で聴き手に訴えかけてくる。

ジュリーニの堂々としたスケールの大きな好サポートも特筆すべきで、充実した荘重な運びの中にソロを包み、第1楽章や第3楽章などでのパールマンとの激しいわたりあいは聴きものだ。

再録音のブルッフも素晴らしく、自信にあふれた美音であくまでも明るく、粘りをもって弾いており、楽器が完全に鳴り切っている。

テクニックの切れも素晴らしい。

ハイティンクの指揮も、彼にしては珍しいほど気迫に満ち、オケも燃え切っている。

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classicalmusic at 21:59コメント(2)トラックバック(0)パールマン | ブルッフ 

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コメント一覧

1. Posted by yoshimi   2009年06月17日 10:19
こんにちは。連続してパールマンのCDですね。個人的にはとても嬉しいです。それに、ジュリーニは数少ない好きな指揮者で、60〜90年代の録音はいろいろ聴きました。
ピアノ協奏曲の録音を集めていても、アラウやツィメルマン、ミケランジェリなどいろんなピアニストの伴奏を指揮しているので、自然と集まってきます。

ジュリーニの録音では、かなりのスローテンポの最晩年のものよりも、フィルハーモニア管とシカゴ響時代の録音が一番好きで、ちょうどブラームスの協奏曲もシカゴ響&パールマンと録音していますね。
両方ともパールマンの歌うような美音とジュリーニのカンタービレは、とても良い組み合わせだったと思います。
メンデルスゾーンも、ジュリーニ&パールマンでの録音を残しておいてくれなかったのが、残念な気がします。
2. Posted by 和田   2009年06月17日 12:18
ちょうど、パールマン&ジュリーニのブラームスを下書きしていたところです。
ジュリーニも私の好きな指揮者です。イタリア出身の指揮者としては珍しく、深みのある音楽をつくりあげます。
ご指摘のディスクもすべて持っていますが、アラウとのブラームスはもっと評価されていい演奏ではないでしょうか。
ちなみにパールマン&ジュリーニのベートーヴェンは映像でも残されています。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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