2009年06月20日
スターンのブラームス/メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
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ブラームスは5指の中に数えられるスケールの大きな名演だ。
3回この曲を録音しているスターンの3度目のもので、2度目のオーマンディが指揮した演奏も名盤として知られていたが、それに比べると、いちだんと表現に深みが増し、さらに充実した演奏となっている。
ごく自然に歌い上げながら、スターンの人間味あふれる、あたたかな音楽が素晴らしく、この曲の精神的な深さにまで肉薄した線の太い演奏で感動的だ。
スターンのソロはかつてのように、名人芸とテクニックの冴えを追求するのではなく、ブラームスの内面に食い込み、オーケストラ・パートと四つに組んで、拮抗する形で音楽と対峙している。
旧盤より多少粗いが、張り詰めた気迫、粘着力にあふれた表情、しみじみとした感慨の深さ、フィナーレにおけるリズムの前進性などすべてが素晴らしい。
メータの指揮もシンフォニックで充実度満点。たくましく、またフレッシュで、ソロと互角の勝負を展開して余すところがない。
円熟の頂点に立つ巨匠の芸というにふさわしい演奏になっている。
メンデルスゾーンはかなり内容を抉った表現だ。
遅いテンポから気迫をこめ、ルバートや青白いピアニッシモを多用し、深いものを目指している。
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