2009年06月21日
ワルター&ニューヨーク・フィルのモーツァルト:交響曲第39/40/41番
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ワルターらしいモーツァルトの名盤いうことになると、晩年のステレオ録音ではなく、1950年代のモノーラル録音ということになろう。
ワルターはステレオ録音で、コロンビア交響楽団を指揮したものも、一般には高く評価されているようだが、私の個人的見解によれば、ロマンティックで濃厚な歌と、しなやかな弾力性を失っていない点で、断然旧録音のモノーラル盤の方を推したい。
音そのものに力が漲っているほか、音楽の運びにも勢いがあって、聴く者を惹きつけて放さない。
ステレオの再録音の方は、リズムが硬直し、オーケストラの楽器編成も中途半端で、ワルターの良さを生かし切っているとは思えない。
ワルターのモーツァルトを愛するなら、絶対にモノーラルの旧盤を選ぶべきである。
ワルター最盛期の録音なので、いずれも充実した演奏で、ワルターの特徴が徹底している。
テンポを動かしてよく歌いよく流す。非常に大切に音を処理して繊細なリリックな美しさを出している。テンポと表情とがまったく一致している。管弦楽全体を飽和的に歌いたぎらせる。リズムも軽快で柔らかい。
まったくワルターの個性が隅々まで滲透して余すところがない。
第39番は非常にシンフォニックで男性的なモーツァルトで、しかも全曲が歌心に満ちて、激しい気迫で聴き手に強く迫ってくる。
第40番は豊麗な表現で、ワルターの残したこの曲の録音中でも中核的な地位にある解釈だ。
「ジュピター」は壮麗な秀演。重厚で全体が力強く、指揮者の悠揚とした風格が示されている。これほど情感の濃い「ジュピター」は、もはや現在の指揮者では聴くことができない。
特に終楽章の緻密な動きには、さすがワルターだと感心せざるを得ない。情緒の表出と構成の設計が、こんなにうまく一致するともう何もいうことはない。
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