2023年05月28日

ロマンティックで濃厚な歌💓しなやかな弾力性を失わない👨🏻‍🎨全盛期のワルター&ニューヨーク・フィル🗽モーツァルト:交響曲第39/40/41番🥇


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ワルターらしいモーツァルトの名盤ということになると、晩年のステレオ録音ではなく、1950年代のモノーラル録音ということになろう。

ワルターはステレオ録音で、コロンビア交響楽団を指揮したものも、一般には高く評価されているようだが、筆者の個人的見解によれば、ロマンティックで濃厚な歌と、しなやかな弾力性を失っていない点で、断然旧録音のモノーラル盤の方を推したい。

音そのものに力が漲っているほか、音楽の運びにも勢いがあって、聴く者を惹きつけて放さない。

ステレオの再録音の方は、リズムが硬直し、オーケストラの楽器編成も中途半端で、ワルターの良さを生かし切っているとは思えない。

ワルターのモーツァルトを愛するなら、絶対にモノーラルの旧盤を選ぶべきである。

ワルター最盛期の録音なので、いずれも充実した演奏で、ワルターの特徴が徹底している。

テンポを動かしてよく歌いよく流す

非常に大切に音を処理して繊細なリリックな美しさを出している

テンポと表情とがまったく一致している

管弦楽全体を飽和的に歌いたぎらせる

リズムも軽快で柔らかい

まったくワルターの個性が隅々まで滲透して余すところがない。

第39番は非常にシンフォニックで雄渾なモーツァルトで、しかも全曲が歌心に満ちて、激しい気迫で聴き手に強く迫ってくる。

第40番は豊麗な表現で、ワルターの残したこの曲の録音中でも中核的な地位にある解釈だ。

「ジュピター」は壮麗な秀演。

重厚で全体が力強く、指揮者の悠揚とした風格が示されている。

これほど情感の濃い「ジュピター」は、もはや現在の指揮者では聴くことができない。

特に終楽章の緻密な動きには、さすがワルターだと感心せざるを得ない。

情緒の表出と構成の設計が、こんなにうまく一致するともう何もいうことはない。

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classicalmusic at 13:40コメント(4)モーツァルト | ワルター 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2023年05月28日 22:42
5 ワルターのモーツァルトは独特のロマンチスムが有り,それはファンを虜にする魅力が絶大と言えるでしょう。問題は一部のライヴ盤を除き,時に存在するSP期のウィーンフィル盤,NYフィル盤そして晩年のコロンビア響盤の何れを採るかの問題に成って来ます。勿論,それぞれの良さが有る訳ですが,25,29,35,38,39番の5曲はNYフィル盤がタッチの差で最も秀逸だと感じます。私見ですが,36,40,41番の3曲は他の盤の方がやや上と感じています。とは言え,40,41番の演奏も秀でており,若き日の故宇野功芳氏に絶大なる幸福感を与えた40番と同じく同氏が絶賛した超然とした41番の演奏も出色ですね。最近のリマスター盤の録音も極めて上質です。詰まるところ,ワルターのモーツァルトは全て揃えておくべきと結論されるかも知れませんね (笑)。
2. Posted by 和田大貴   2023年05月28日 23:32
忘れられないのが1956年のモーツァルト生誕200年記念録音になったワルターの「レクイエム」です。モーツァルトの音楽をこよなく愛したワルターの最高の名演奏で、ワルターの各種の録音のなかで、録音の古さを超えて輝き続ける名盤です。演奏は、ワルターが自分の思うままに指揮した感受性豊かな表現が聴きもので、なによりもミサの管弦楽の美しさを、情緒豊かに表現しています。情緒の細かな動きを隅々まで捉えて、入念に表現しようと努力したものです。やや主観的な表現ですが、これほどモーツァルトの心をつかんで、美しく歌いあげた演奏というのも珍しく、ワルターのモーツァルトに対する“想いの深さ”がひしひしと伝わってくるようで、4人の独唱者もこれに寄りそっています。ワルターのモーツァルト観が最も充実した形で示され、これは抒情的に美しくまとまった「レクイエム」です。ゼーフリートをはじめとする4人の独唱者とウェストミンスター合唱団も充分にその力を発揮し、集中力に富んだ濃密な演奏を展開しています。もちろん、それはワルターの確かな構成感と愛情に満ちた優美な表現との見事なバランスが生んだ成果でもあります。。
3. Posted by 小島晶二   2023年05月28日 23:49
良いですね,ワルター&NYフィルのモーツァルトのレクイエム。ステレオ盤となればベーム,カラヤン,バーンスタイン,アバド,ア―ノンクールとライヴァル多数ですが,モノラル盤では最高峰でしょう。録音も鮮明です。後同コンビの<ドイツレクイエム>も素晴らしい演奏でした。第1曲から荘厳な響きが出色です。
4. Posted by 和田大貴   2023年05月29日 00:00
「ドイツ・レクイエム」では、ワルターはあくまでブラームスの心情に沿い、今の若い世代の指揮者のように、第2楽章あたりで凄い追い込みをかけたりしません。さすが巨匠の風格です。ワルターはここで"死"を通じて"生"を歌います。例えば第2楽章。ほとんどの指揮者はここで熱演をみせるところですが、彼のもたらす感動はそうした外面的な演出法にあるのではないことがはっきりします。もちろんこの中にこめられたワルターのエネルギーの凄まじさは筆舌につくし難く、"生"をみつめる者の、80歳にしてのみ"視る"ことのできる恐ろしさと平明さがここにはあります。この「ドイツ・レクイエム」には、すべてを超えた世界の頂きにあって優しくほほえんでいるような趣があり、長所や短所、録音の技術を云々することは、ワルターにとってもはや意味のないところです。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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