2009年06月19日
ノーマンのシューマン:歌曲集「女の愛と生涯」/リーダークライス
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まず、その声の清らかさにひかれる。
ノーマンはメゾ・ソプラノからソプラノに転向した人で、この録音は1975年、ソプラノになってからの歌唱である。
メゾ・ソプラノ時代に身につけた、暗い豊かな情感のあらわしかたと、ソプラノになってからのロマンティックな表現の、双方のよさを兼ね備えた名唱だ。
ノーマンの歌唱は、あくまでもこの歌曲集をひとりの女性のドラマとして捉え、この上なく劇的にスケール大きく情感豊かに歌い上げている。
すこぶる歌いまわしのうまい歌手だけに、ここでも各曲の特徴を的確につかみ、深々と表現している。
やや大袈裟で、オペラ的ともいえる表現だが、ありあまる声をセーヴした、じっくりと語りかける手腕は、やはり世界のプリマドンナにふさわしい。
安定度という点では、現役ではノーマンに勝る歌手は、そう多くはいないだろう。
歌手という存在を超えてしまったノーマンの歌の包容力は、あらゆる限界を突き破り無限へと広がる。
ただシューマンという作曲家は、彼女のその"大きさ"を必ずしも必要としないため、作品の微細な感情世界からこぼれてしまったものも少なくない。
しかし、ノーマンのヒューマンなメッセージは素晴らしいものだし、これまでになかったシューマンの姿がここにあるとも言えるだろう。
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コメント一覧
1. Posted by Goodweather 2009年06月22日 23:38

時々ノーマンをご紹介下さいます事本当に嬉しいです。私も同じディスクを持っています。シューマンのリーダークライスを以前2曲だけレッスン受けた事があるのですが、やはりノーマンを参考に勉強しました。ノーマンの歌唱の素晴らしい所は、曲のドラマ性を的確に捉らえ表現している所や情感豊かな声の表現力と非常に正確で緻密な読譜にあると思います。
シューマンなら他にももっとシューマンに適した歌唱をする歌手もいるのだとは思いますが、私はやはりノーマンが大好きです。
いつも本当にありがとうございます。
2. Posted by 和田 2009年06月23日 05:04
Goodweatherさん、コメントありがとうございます。
この2つの歌曲集には白井光子の模範的な歌唱があり、度々聴くのですが、ノーマンのスケールの大きな、包容力のある歌唱も魅力的ですね。
ノーマンにはもっと数多くのオペラを録音してほしかったと思ってます。
この2つの歌曲集には白井光子の模範的な歌唱があり、度々聴くのですが、ノーマンのスケールの大きな、包容力のある歌唱も魅力的ですね。
ノーマンにはもっと数多くのオペラを録音してほしかったと思ってます。