2009年06月28日
レヴァイン&ウィーン・フィルのスメタナ:「わが祖国」全曲
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全体に構成が緻密で、なかなかよく考えられた演奏。現役盤では最も優れた演奏として推薦できる。
レヴァインはウィーン・フィルの響きと表現力をくっきりと生かして、爽やかに劇性にとんだ表現をつくっており、完成度が高い。
ややボヘミアの土の匂いには乏しいが、語り口のうまい演奏で仕上がりもきれいだ。
レヴァインはオーケストラを存分にドライヴし、ウィーン・フィルもその棒によく応えている。
レヴァインはオペラで鍛えた劇的なセンスで、これらの交響詩集を実に巧妙に語り尽くしている。
伝説を主題にしたもの、風物を主題としたもの、それぞれに最も適切なアプローチを聴かせ、特に「モルダウ」における、各場面の推移と情景描写の巧みさは、彼の独壇場といえるだろう。
また「ターボル」とか「ブラニーク」のような伝説上の出来事を描いた曲では、その劇的な性格を見事に把握して、一遍の叙事詩のように語り尽くしている。
そして「ヴィシェフラト」では、じっくりと歌い込んでこの曲のノスタルジックな一面を見事に描き上げている。
全体的にはかなりドラマティックでスケールの大きいものとなっているが、オペラでの劇的な構想に対する蓄積と、その一面で常に要求されている客観性がここでもはっきりと生かされている。
慣用版に必要な変更を加えての演奏だが、オーケストラにまったく妥協をみせないほど自信ににみちた演奏を聴かせるレヴァインは、それでも、決してウィーン・フィルのもつ性格や機能を弱めていない。
ドラマティックでスケールの大きい熱演が聴ける。
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コメント一覧
1. Posted by ゴーシュKT 2009年06月28日 10:42
私は例のクーベリック・チェコフィルかフリッチャイをよく聴いています。
2. Posted by 和田 2009年06月29日 00:05
クーベリック&チェコ・フィルによる演奏は、状況が特殊性に染まりすぎていて、それについていけない時に、私はレヴァイン盤をよく聴いてます。