2009年06月29日
ラフマニノフの自作自演:パガニーニの主題による狂詩曲
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「故郷を離れた時、私は作曲するという希望を捨てました。故郷を失った私は自身も捨てたのです」と語るラフマニノフは、四半世紀近い亡命生活の中で、6曲程の作曲しかしていない。
そうしたラフマニノフが1934年の夏に、7週間でこの曲を一気に書き上げたのは、おそらく、彼の脳裏に、突然、第18変奏の美しく甘美でノスタルジーに満ちた旋律が浮かんだからに違いない。
ラフマニノフの演奏は、この第18変奏を実に淡々と弾いているのだが、内声部が、次第に高まる潮のように、旋律の上に浮かび上がる時、胸を刺すようなそれでいて甘美な世界が開ける。
他の演奏ではセンチメンタルであったり美しかったりだけで何かが欠けている。
ラフマニノフだけが、この旋律を通して、過去の扉を開けることができる鍵を持っていたからであろう。
この曲に新しい視点を導入するような天才ピアニストが現れないかぎり、こうした往年の名演奏を越えることは、なかなか難しいのではあるまいか。
そうした意味で、このラフマニノフの自作自演は、まさに歴史的遺産といえよう。
ピアノ協奏曲第1番は冒頭から気迫の凄まじさに驚かされるが、デリカシーも満点だ。
ストコフスキーとオーマンディもラフマニノフの表現にピッタリの好演だ。
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