2009年06月30日
小澤&パリ管のチャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
演奏はきわめて精彩豊かである。実に明るい華麗な表現で、気宇の大きさと洗練性をもった表現である。
パリ管の管楽器のうまさを前面に出した、きわめて名人好みのスタイルで、曲の標題にこだわらぬ純音楽的な名演といえるだろう。
無用な力みがなく、自然なアーティキュレーションで滑らかに歌い、感覚的な美感と情緒の深さが巧みにバランスしている。
すべてが小澤の意図する端麗な表現に統一されており、純音楽的でありながら、存分に指揮者の個性を示した演奏だ。
小澤はフランスのオケと不思議なほど相性がよいらしい。
日本人の小澤とフランスのパリ管とでは、違和感を予想する向きも多いに違いないが、これが不思議とまとまりのいい、確固としたスタイルに昇華されているのである。
この演奏もオケとの親密感が強く、パリ管の華麗な音彩を存分に味わわせる。
そのため「悲愴」はあまり暗さがなく、瑞々しく、彼独自のしなやかな旋律線の表情と純音楽的な美感が示された好演である。
「眠れる森の美女」も華やかな響きが生き生きと音楽を躍動させており、そこに魅力的な雰囲気が作られている。
改めてクラシック音楽が、民族音楽でないことを意識させる結果になった。これは、素晴らしいメモリアルである。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。