2009年07月05日

シノーポリのプッチーニ:トスカ


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シノーポリ盤こそは久しく待たれていた名盤で、この作品に内包される新たな美と真実を知らしめた名演である。

フレーニの見事に熟した声で歌われるトスカは、堂々として、しかも女性的で、美しい。

官能の美はシノーポリの巧みな棒から生まれる音楽にも認められる。

激しく荒々しいのがトスカという女声の特徴だと思い込んでいると、フレーニのトスカには驚かされる。

逆上しても声のまろやかさを失わないトスカなのだから。

それは弱点であるどころか、最高の美質となっている。

舞台で味わうのがほぼ不可能な、しかし味わえたらどんなに素晴らしいかと願うトスカがここにいる。

過剰なほどに劇的なシノーポリの指揮がフレーニのトスカの良さを鮮明にし、フレーニのこまやかなトスカがシノーポリの起伏に富んだ指揮を、一層はっきりとさせる。

安易な役作りではないプラシド・ドミンゴのカヴァラドッシは、定評あるものだし、サミュエル・レイミーのスカルピアも申し分なく、ぴしっとキャスティングが決まった《トスカ》なのだが、それでもフレーニのトスカとシノーポリの指揮の重要さは変わらない。

まだこれから、という時に亡くなってしまったシノーポリの、オペラの演奏での代表作であると考えられる。

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