2021年10月14日
20世紀の名盤ベスト・ワンに輝いた記念碑的な不朽の名演、名録音、ブルーレイオーディオ化されたショルティの「指環」
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極上の高音質ブルーレイオーディオ盤により、このディスクのプロデューサーであるジョン・カルショウの「現在望みうる最上の《指環》をレコードで再現したい」という執念のようなものが一層強く感じられる名盤だ。
ワーグナーの巨大な4連作《ニーベルングの指環》のステレオ全曲録音は、ショルティ/ウィーン・フィルの顔合わせによって始められた。
そのレコーディングは1958年9月の《ラインの黄金》に始まり、《ジークフリート》(62)、《神々の黄昏》(64)を経て、1965年の《ワルキューレ》に至るというものであった。
それは、たんに壮大なスケールをもった記念碑的なプロダクションということだけではなく、その後予想もつかなかったような数にのぼる《指環》の全曲盤が登場しているにもかかわらず、総合的に鑑みてこのショルティ盤を超えるものがいまだにないという点において、重要な存在をなしてきている。
そこでショルティは、ウィーン・フィルという伝統的なオーケストラの本質的なものを決して損なうことなく、完全に近代的なアンサンブルに仕立てあげ、ワーグナーの音楽のスタイルを緻密で雄大に展開しえている。
ショルティの精妙な演出と、スケールの大きな、ダイナミックな表現もさることながら、録音効果がまことに抜群で、全曲を飽きさせずに聴かせてくれる。
ロンドン、キング、ヴィントガッセン、ニルソンらをはじめとする歌手たちのすべてが、その時点における最もすぐれた、しかも適切な人々であることはいうまでもない。
すべてにおいて理想的な条件が追究されているということは、レコーディングにおけるひとつの黄金時代であったからこそ可能であったといえなくもない。
ショルティの直情径行のダイナミックな音楽作りは、ドイツの伝統的なものとは一線を画すが、その描写的音楽作りは、耳で聴くドラマとしての聴き易さを生み出しており、更には、プロデューサーのJ・カルショウの聴覚上の演出も一助となっている。
このレコード史上最初の《指環》全曲はイギリスの雑誌が読者投票をもとに選出した20世紀の名盤ベストテンの第1位に選ばれていたが、それは演奏だけでなく、録音、そしてとても採算が合うとは考えられなかった大作がベスト・セラーを記録し、その後のレコード界に及ぼした波及的効果などを考慮されてのことではないだろうか。
ショルティとウィーン・フィル、画期的ともいえる録音もすばらしいが、また今振り返ると、ニルソンとヴィントガッセンが全盛期を迎え、ヴォータンのホッターが最盛期を過ぎつつあるという絶好のタイミングで録音が行なわれたのも幸いだった。
ワーグナー・ファンはもちろん、ワーグナーに興味が乏しい人々にとっても、こればかりは、無視することのできないものであるといってもよかろう。
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コメント一覧
1. Posted by あっき 2021年10月14日 20:03
こんばんは。
久しぶりに書き込みます。
「ニーベルングの指環」は誰のを(指揮者、歌手、楽団etc)購入したらいいのかわからなかったので・・・ありがとうございます。
明日HMVへさっそく出かけてきます。
クライバーンコンクールで 優勝した辻井さんの演奏と、急死されたKing of Pops こと、Michael Jacksonさんの映像がほぼ同時に流れてきて一瞬戸惑いました(笑)辻井さんの奏でる音はクリスタルのように繊細に感じました。
久しぶりに書き込みます。
「ニーベルングの指環」は誰のを(指揮者、歌手、楽団etc)購入したらいいのかわからなかったので・・・ありがとうございます。
明日HMVへさっそく出かけてきます。
クライバーンコンクールで 優勝した辻井さんの演奏と、急死されたKing of Pops こと、Michael Jacksonさんの映像がほぼ同時に流れてきて一瞬戸惑いました(笑)辻井さんの奏でる音はクリスタルのように繊細に感じました。
2. Posted by 和田 2021年10月14日 20:36
あっきさん、コメントありがとうございます。
「リング」はショルティの指揮が直情径行的などころはあるものの、その豪華なキャストとウィーン・フィルの充実ぶり、それに録音の良さを総合的に判断すると、ショルティ盤がベストだと思うんですよね。
ちなみに私のブログのamazonのページで買うとぐっと安いですよ(笑)
お互い辻井氏の将来に期待しましょう。
では。
「リング」はショルティの指揮が直情径行的などころはあるものの、その豪華なキャストとウィーン・フィルの充実ぶり、それに録音の良さを総合的に判断すると、ショルティ盤がベストだと思うんですよね。
ちなみに私のブログのamazonのページで買うとぐっと安いですよ(笑)
お互い辻井氏の将来に期待しましょう。
では。