2009年07月18日
クライバーのヴェルディ:歌劇「椿姫」
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クライバーによる劇的表現と精妙な音楽づくりを堪能できる。
クライバーの音楽特性のよくあらわれた演奏で、彼は、ヴェルディの音楽に現代的な感覚を盛り込み、彼独自の音楽の世界をつくりあげている。
イタリア・オペラにしては、造形が厳しすぎる気もするが、大変精度の高い演奏だ。
ここにあるのは、単に流麗で感傷的なメロドラマではなく、切実な感情によって動かされ、生きていく人間たちのドラマであり、ヴェルディの真の意図が感じとれる。
クライバーならではのまことに生彩あふれる演奏である。
と同時にクライバーは、第1幕の前奏曲から、このオペラの悲劇性を精妙きわまりない表現によって明らかにし、常に生き生きとした流れと劇的で鮮やかに変化をそなえた演奏によって、音楽の最深部にまで的確な光を当てつくしている。
バイエルン国立歌劇場管からこのように精緻な陰翳に富んだ響きと表現を引き出した手腕も、まさに至芸というべきだろう。
歌手陣は必ずしも最強力とはいえないが、コトルバスのヴィオレッタは、そのいく分暗い声とこまやかな表現によって、悲劇のヒロインを繊細に演じていて、非常に細かい感情表現とセンチメンタルな歌唱で胸を打つ。
他の歌手もクライバーの指揮に応えてそれぞれベストの歌唱を聴かせてくれる。
LP4枚を機械的にCD2枚にするのではなく、幕や場の設定を考えた制作にも拍手を送りたい。
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トラックバック一覧
1. アンナ・モッフォの椿姫 [ 環ぐねり庵 ] 2009年07月18日 07:21
カラスの椿姫→映像で椿姫をみたい、ということになる。
マリア・カラスの映像がない以上、やはり美人のヴィオレッタがみたい。
天が二物を与えた、アンナ・モッフォのカラー映像があるという。
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