2009年07月19日
カヴァコス&ヴァンスカのシベリウス:ヴァイオリン協奏曲(オリジナル版付き)
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この協奏曲に関しては、つい最近、注目すべきCDを聴いた。それは、ヴァンスカ指揮によるラハティ響のサポートを得たレオニダス・カヴァコス盤である。
そこでは、当協奏曲の現行版とあわせて、これが初演されたときのオリジナル版が初めて収録されており、比較して聴くことができるので、なんとも興味深い。
こうして対比して聴いてみると、現行譜は初演譜にかなり手を加えていることがよくわかる。
特に第1楽章の管弦楽パートに、それが著しい。オーケストレーションは厚味があり、現行版よりも劇的な性格といえよう。
これまでシベリウスが改訂したという事実は知っていたが、今回初めてそれを耳で確認することができた。
オリジナル版はソロ・パートがよりヴィルトゥオーゾ風で、第1楽章は2つのカデンツァをもつ。
1967年フィンランド生まれのカヴァコスの演奏は、決して目を奪うようなヴィルトゥオーゾ風の性格ではなく、どちらかというと線が細く、伴奏ともども地味だけれど、内省的な好ましい雰囲気をもっており、じっくりと聴くことができる。
カヴァコスの引き締まって艶やかな音は、表情を抑えた場合も美しい緊張感を作り出している。
彼は若さに似合わず落ち着いた情感をもっており、加えて洗練された感覚がシベリウスの音楽に一層磨きをかけている。
オーケストラも好演している。
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コメント一覧
1. Posted by yoshimi 2009年07月19日 00:50
こんにちは。このCDは私も少し前に聴いたところです。交響曲第5番も同じような企画盤がありますね。(こっちは未聴ですが)
オリジナル版の第1楽章は、冗長と批判されたようですが、ヴァイオリン・ソロがしっとりと延々と歌っているようなところが綺麗だと思いました。
2つめのカデンツァは私にはバッハ風に聴こえてきて好きだったのですが、こっちのカデンツァが削除されてしまったのは残念な気はします。
カヴァコスというヴァイオリストは初めて聴きましたが、おっしゃるとおりやや線が細めで音が綺麗で、引き締まった叙情感が美しいですね。
オリジナル版の第1楽章は、冗長と批判されたようですが、ヴァイオリン・ソロがしっとりと延々と歌っているようなところが綺麗だと思いました。
2つめのカデンツァは私にはバッハ風に聴こえてきて好きだったのですが、こっちのカデンツァが削除されてしまったのは残念な気はします。
カヴァコスというヴァイオリストは初めて聴きましたが、おっしゃるとおりやや線が細めで音が綺麗で、引き締まった叙情感が美しいですね。
2. Posted by 和田 2009年07月19日 01:12
yoshimiさんも数日前のブログの記事にこのカヴァコス盤を採り上げていらっしゃいましたね。
版の違いはおっしゃる通りかと存じますが、繊細さとしなやかさと峻厳さを美しく融合させた感のあるカヴァコスのヴァイオリンも、たいへん魅力的なものだと感じました。
版の違いはおっしゃる通りかと存じますが、繊細さとしなやかさと峻厳さを美しく融合させた感のあるカヴァコスのヴァイオリンも、たいへん魅力的なものだと感じました。