2009年07月21日

フランソワ&クリュイタンスのラヴェル:ピアノ協奏曲/左手のためのピアノ協奏曲


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



フランソワ&クリュイタンスのディスクは、既に半世紀も前の録音ではあるが、その洗練度とエスプリ、柔軟自在なファンタジーは現在も少しも鮮度を落としていない。

というよりはむしろ、ここまで詩的なセンスを飛翔させた演奏が激減している現在、より一層フレッシュな感覚を我々に与えてくれるものとさえ言えそうである。

ラヴェルは作品の好き嫌いの激しいフランソワの十八番の一つでもあったが、フランソワが名匠クリュイタンスの共演を得て録音した2つのピアノ協奏曲は、まさにその豪華な顔合わせの成果というにふさわしい歴史的名演になっている。

ほろ苦くコクのある音色で音符を深く味わいながら語り継いでいくフランソワの表現は、これ以上はあり得ないほどのファンタジーとポエジーを内在させており、そこから滲み出る濃密な情念は、聴き手の神経をしびれさせるようなデモーニッシュな魅力さえも放っている。

天才と狂気―これはラヴェルとフランソワに共通した資質だ。

即興性を孕みながら、ラプソディックで奔放な表情、密度の高い情緒を一貫して維持して奏されるピアノ、それをサポートし、ときには協調し、ときにはコントラストをつけてすすむオーケストラの鮮烈な、ときには神秘的なみずみずしさ。

フランソワのラヴェルに、そしてこの2曲の演奏にみなぎるポエジー、それも今後この2曲の演奏からたちのぼるとは考えられないような高度に結晶したポエジーである。

《ピアノ協奏曲》でのフランソワは、クリュイタンスの名人的な好伴奏に支えられて、フランス的な感性にあふれた演奏を繰り広げている。

ことに、ラヴェル独特の洒落た感じを表出しているところは、この人ならではのものだ。

第1楽章のホルン、最高音のピアニッシモの甘さはフランスならでは。クリュイタイスのオーケストラとフランソワのピアノは、上品対上品、エレガンスの火花を散らせて、大人の味わいである。

《左手のためのピアノ協奏曲》は、出来不出来が明瞭にわかれるフランソワの演奏のなかでも、特によく出来たもののひとつで、作品全体にただよう不思議な気分を、繊細なタッチと、大きなスケールで表現していて、フランソワの芸術の真価を堪能させてくれることだろう。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 18:36コメント(0)トラックバック(0)ラヴェル | フランソワ 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ