2009年08月06日
ブリテンの自作自演:青少年のための管弦楽入門
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作曲者の自作自演だからといって、すべてがすぐれているわけではない。
しかし、1947年にはオールドバラ音楽祭を創設するなど、若い頃から指揮者としても活動したブリテンは、自作だけでなくモーツァルトなどにもすぐれた演奏を残している。
中でも、この《青少年のための管弦楽入門》は、そうしたブリテンの自作自演の中でも、最も良く知られた名演である。
副題に「パーセルの主題による変奏曲とフーガ」とあるように、パーセルの劇音楽か採られたロンドーの旋律を主題にしているが、そのパーセルの主題を、ブリテンは、いくぶん速めのテンポできびきびとした表現と推進力をもって、とても表情豊かに提示する。
入門用の音楽だからといって聴き手に媚びたり、手心を加えたりすることなく、あくまで音楽に徹した真摯な演奏である。
その点では、少々そっけないところがあるほどだが、個々の変奏曲の細部まで作曲者ならではの眼で巨細に読み込まれた演奏は、大変聴き映えがする。
この曲にはナレーターによる解説つきの版と語りのないコンサート版があり、ブリテンは後者を用いているが、各変奏曲を明快にくっきりと彫りあげた演奏は、いかにもコンサート版にふさわしい。
ブリテンの自在な指揮に、時にはオーケストラが翻弄されそうになるところもあるが、それが真摯な演奏で、作品にふさわしい親しみと、ほどよい笑みを添えているのも、この演奏の魅力になっている。
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