2009年08月11日
アルゲリッチのショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番
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1993年の録音で、まだ新録音の部類だが、このショスタコーヴィチは、すでに不滅の歴史的名盤の地位が約束されているといってよい。
このアルゲリッチの独奏を上回る演奏がおいそれと出まいと思われるからだ。
なんと冴えわたったピアニズムだろう。しかも変幻自在。強烈なアタックと繊細なリリシズム、自由自在な即興性と確固とした構成意志、交響精神と室内楽精神。
ここには対立するすべての要素が、本能的ともいうべきセンスによって、楽想の変転に応じてストレートに曲中に示され、しかもそれが大きな全体で融合して、作品の魅力をくまなく表出することに貢献している。
「真面目なクラシック音楽のなかに現れるユーモアとウィットを前面に押し出した」と作曲家が語ったこの協奏曲を、アルゲリッチはいかにも生き生きと闊達自在に再現している。
コケティッシュなまでのユーモアと澄んだ詩情、そして美しい歌をたたえた演奏は、アルゲリッチならではの爽やかに引き締まった生命感にあふれており、スリリングな力の発露と抒情的な表現のしなやかな沈潜を絶妙な感覚で織りなしている。
この協奏曲の最も生彩にとんだ演奏というべきだろう。
フェルバーとヴュルテンベルク室内管弦楽団も引き締まった演奏でアルゲリッチのピアノをくっきりと支えており、名手トゥーヴロンの柔軟なトランペット・ソロも見事である。
むろんカップリングのハイドンも秀逸。
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