2009年08月14日
ホグウッドのベートーヴェン:交響曲全集
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ベートーヴェンの交響曲を考える場合、今日、オリジナル楽器による演奏を避けて通れないが、ホグウッド指揮エンシェント室内管は、その意味で現代の最もオーソドックスで、オーセンティック(本物)な名盤といえよう。
オリジナル楽器による優雅な演奏は、まるで良質の室内楽を味わう良さがある。
19世紀当時の低いピッチは、パステル画のように淡彩に響くし、管楽器の動きが弦に埋もれることなく、はっきりと聴き取れるのが魅力的である。
曲のプロポーションと細かな技法が、何の苦労もなく解明されるのは、作品そのものを知る上で、貴重な入門役を果たすものと思われる。
それに和やかなオーケストラのアンサンブルも、音楽を聴く楽しみを肌で感じさせられる。
特に「第5」など少しも押し付けがましくなく、《運命》というタイトルに汚染されない清潔さが魅力だろう。
それでいてベートーヴェンが書いたスコアのプロポーションは、実に丹念に描き上げられている。
肩肘張らぬリラックスしたアンサンブルは、音楽を演奏する楽しみと、喜びに満ち溢れていて、聴く者をも巻き込んでしまう。
それに組み合わされた《エグモント》《コリオラン》の両序曲も、素晴らしい名演が展開されている。
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