2009年08月27日
カツァリスのシューマン:子供の情景/森の情景/音楽帳
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カツァリスの初のシューマン・アルバムであった。
カツァリスはこのシューマンで、これまでのような意表を衝く表現や新しい解釈ではなく、精神を安定させるような伝統的なスタイルを目指しており、詩情豊かにシューマンのやさしい小品集を歌い上げている。
「子供の情景」はカツァリスのストレートな解釈が、曲想を生かしたメルヘン的な雰囲気をよく出している。
あり余るテクニックをセーヴして、優しく子供の世界へいざなう、カツァリス的な表現はまったく新しいアプローチといえよう。
音色が透明で美しいのも、いかにもメルヘンチックである。
標題性をあまり強調していないのだが、カツァリスは音色の変化で、各小品の性格を見事に描き分けている。
端倪すべからぬ名人芸といえよう。
「森の情景」はかなり濃厚なロマンティシズムを感じさせるが、ロマン的な情趣に溺れず、印象としては爽やかさが残る。
特に「音楽帳」ではその思いが強い。
マーク・アレン製のピアノを使用している。
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