2009年08月29日
アバドのストラヴィンスキー
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アバド指揮ロンドン響のストラヴィンスキーは、きわめて鮮烈でユニークな力演で、速めのテンポを駆使して、リズミカルで軽快な都会趣味の表現になっている。
「プルチネルラ」が断然すぐれている。アバドは曲の性格を的確につかみ、きびきびしたテンポで運びながら、全体を精緻に仕上げている。
第8,12,終曲は特に素晴らしく、その生気にあふれた表現に魅了される。アバドの実力が最高度に発揮された、実に見事な演奏だ。独唱陣のなかでは、ベルカンサが一際光っている。
「カルタ遊び」もなかなかの好演で、「火の鳥」もよくまとまっている。
「春の祭典」は若々しい感覚の緊張感にあふれた素晴らしい演奏だ。
アバドは曲の性格を的確に把握し、やや速めのテンポでじっくりと運びながら、各場面を明晰に、野性味豊かに描きあげている。
細かく聴くと、この曲にはまだこんな解釈が残されていたのかと、驚かされるような新鮮さである。
特に両幕の序奏部は、美しい歌に満ちた表現が魅力的で、第2部の冒頭など完全な「夜の音楽」になっている。
第2部の「いけにえの讃美」から後半の部分にかけての劇的な表現は圧巻だ。
力と大音量でブカブカと吹きまくる野蛮なストラヴィンスキー演奏ではなく、サウンドが洗練されているのが、アバドの「ハルサイ」の特色といっていい。
これはアバドの力量を如実に示した快演といってよい。
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