2009年09月05日
アルゲリッチ&アバドのラヴェル:ピアノ協奏曲(新盤)
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アルゲリッチ&アバドによる2回目の盤が、彼らの旧録音はもとより、他盤を凌いで素晴らしい。
旧盤でも、ラヴェルの音楽のもつ詩情を存分に表現していたが、ここでは、いっそうその表情が豊かになり、音色も磨かれている。
文字通り精妙の美学がこの演奏からは感じられる思いがする。
一分の隙もない造型、そこに凝縮したきらめく詩情と緻密な音のテクチュア、すべてが余りにも鮮やかにまとめあげられ、明確な方向感の中であたかも一気呵成に一個の圧倒的な世界を形成してゆく。
アルゲリッチは、切れ味鋭く一気に作品を駆け抜ける。
切れのいいリズムと冴えたタッチは、いかにもアルゲリッチらしい美点だし、バスクを思わせる情熱的な表現、さらにジャズ的なリズムの扱いも堂に入っている。
唖然とするほどだが、アバドがしっかりと造型し、音楽的充実感も申し分ない。
アバドの指揮もいよいよ円熟を感じさせ、アルゲリッチのソロを支えて申し分がない。
第1楽章では音楽のどの部分をとっても意味とニュアンスがあふれ切っている。
第2楽章にはそこはかとない詩情が漂い、第3楽章はこの上なく愉しく、また唖然とするほど巧い。
アルゲリッチのピアニズムおよびアバドの指揮の申し分のない円熟が生み出したひとつの極致的なこの曲の地平とさえ思える。
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