2009年09月07日
テンシュテットのマーラー:交響曲全集
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ロンドン・フィルを指揮したテンシュテット盤は、全体を正確に見渡し、力強い構成力でたくましくまとめあげており、聴き応えのある演奏をつくりあげている。
決して情緒的要素に流されることなく、むしろ、そうした要素からは一定の距離を置いたアプローチだが、中味が希薄になることなく、バランスがよい。
マーラーの交響曲全集を1つ選ぶとすれば、現在の私は迷うことなくテンシュテット盤をとりたい。
彼の毅然たる主張とアプローチが、比類ない説得力をもって各作品の上に反映し、輝かしい音像を結晶させている演奏である。
ドイツ的伝統を基盤に、ロマン主義的にして表現主義指向を十全に打ち出した彼独自の鮮烈なマーラー。
旋律造形を前面に打ち出した主情的傾向を支柱に、マーラー音楽の特性たる抒情性とダイナミズム、屈折とアンンバランス、重厚さとグロテスク等を忌憚なく描出し、しかも交響曲としての質量をずっしりと備えた力演群。
全体の出来映えにムラが少ないのも美点。
中でも第3番、第6番、第8番などは水際立った名演であろう。
ちなみに、これまでに紹介していたテンシュテットのマーラーのライヴ録音もこの新しいボックスには含まれている。
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