2009年09月09日
クナ&ウィーン・フィルのブル4「ロマンティック」
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改訂版を用いたものだが、この演奏は感動的で、数多いこの曲のレコードのなかでも屈指の名演といえる。
両端楽章がことに美しく、枯淡に近い精神美と豊かな抒情性をあわせもった表現が展開されている。
弦の神秘な刻みに乗って現れる魅力溢れるホルン、芳醇な香りを湛えた弦の調べに、溶けるような金管の目映さ。
第1楽章で特に胸躍るのは、展開部である。重戦車のような迫力の金管が、しっとりとした弦の音色にくるまれている様が実に美しい。
弦主体のバランスはクナッパーツブッシュというより、デッカ録音スタッフの趣味かもしれないが、改訂版による杜撰なアレンジも粗を見せないばかりか、弦に木管をブレンドさせた部分など、思いもかけない優しい表情を見せてくれる。
第2楽章の魂の逍遥も、まったく肩の力の抜けた達意の指揮ぶりで、聴き手を中世の森へ誘い、第3楽章のリズム感も卓抜だ。
このスケルツォは、改訂版の珍妙なアレンジと短縮によってズタズタにされているのだが、少なくともレコードで聴く限り、それほど不自然に感じないから不思議だ。
そして、全宇宙が鼓動するような圧倒的なフィナーレ!
ウィーン・フィルの演奏も絶妙というほかはない。
モノーラル録音だが、CD化によって、ゆがみの少ないまろやかな音質に改善されていて、音の分離も明快。
ブルックナーの音楽を愛する人にはぜひともおすすめしたい1枚だ。
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コメント一覧
1. Posted by 佐東 陽達 2010年01月04日 20:17

2. Posted by 和田 2010年01月05日 00:16
クナの録画では「ワルキューレ」第1幕もおすすめです。
クナの指揮は必要最小限の動きで、驚くほど豊かな響きをオーケストラから引き出します。
クナとウィーン・フィルは相性が良かったことも事も思い知らされます。
クナの指揮は必要最小限の動きで、驚くほど豊かな響きをオーケストラから引き出します。
クナとウィーン・フィルは相性が良かったことも事も思い知らされます。