2009年09月12日
カラヤンのマーラー:交響曲第4番
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カラヤンが指揮したマーラーは、音構造がドイツ交響曲的とでもいうべき密度をおびている。
同時に楽譜に記された指示を、妥当な範囲で実現していく。
そこには一種の客観性があり、全体が明晰にまとめられている。
ほのかな情緒がただよう第3楽章は、カラヤンの独壇場とでもいいたい演奏である。
カラヤンのマーラーは他の指揮者と一線を画していると言ってよいかもしれない。
これは悪い意味ではなく、カラヤンのオーケストラ美学がマーラーの交響曲を覆っているという意味である。
したがって、カラヤンはその美学の中で結局第4〜6番、そして第9番、「大地の歌」だけを残した。
どれも名演の範疇に入るが、この第4番は曲の天国的な美しさと、軟体動物のように自由に呼吸するカラヤンとベルリン・フィルの鮮やかさとが実にユニークな世界を作っている。
とにかくしなやかで、天国というよりは魔法の国に迷いこんだ感じすらする。
終曲でのエディット・マティスの起用も成功で、表情もあどけなさと艶っぽさを共存させ、カラヤン流美学が徹底されている。
すべてが見事にまとまっている。
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