2009年06月04日
バックハウス/ブラームス・リサイタル
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ドイツの巨匠バックハウスの質実剛健というべき特質がよく示された1枚である。
バックハウスはブラームスの演奏を得意としていたが、ここに収められた12曲の性格的小品となると、彼得意の荘重な表現力を生かすのは難しい。
しかし、かといって器用に演奏しようとしないのが彼らしい。
気取った演奏は無用とばかり、訥々とした語り口ながら、そこに大家の風格を漂わせている。
逞しく骨張った音、叙情に溺れない剛毅さ、ときに無愛想とさえ思えるような淡々とした表情、ブラームスのピアノ曲にロマン的情緒を求める人にはあまりにもそっけなく感じられる演奏といえるかもしれないが、聴き込むほどにその飾らない素朴さのうちに渋い味わいが感じられてくる。
そうした味わいはまさにブラームスの音楽に対する深い洞察から生まれてくるものだろう。
なかでも「6つの小品」の第3番バラード、カプリチオ、間奏曲変ホ長調の3曲が特に印象的な演奏だ。
また作品118-6の深い絶望感、作品76-2や119-2の不安な気分、作品117-1の内省的な歌などにみる曲の本質のみを露わにするような語り口は、バックハウスならではのものだ。
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