2009年09月16日
シノーポリのワーグナー:管弦楽曲集
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シノーポリ初のワーグナーで、ニューヨーク・フィルとも初顔合わせだったが、シノーポリは不思議とニューヨーク・フィルと相性が良く、このワーグナーとR.シュトラウスの交響詩は素晴らしい。
シノーポリのワーグナーはインスピレーションにあふれた演奏であり、迷いのない、直感的アプローチの鮮やかさに心奪われる。
その美しさはワーグナーに対する認識を変えさせるほどで、神秘的ですらある。
極めて色彩的な音を出すオーケストラから、シノーポリがドイツ的な重厚な音を引き出しているのは、まさに指揮棒の魔術といってよく、並々ならぬ才能を感じさせる。
全体に表情が生き生きとして、ダイナミックな迫力も満点、官能美を十分に発揮している。
全体の仕上がりは大変密度が濃く、訴えかけの強い演奏を行っている。
重心がどっしりと重く、重厚なサウンドにはロマンティックなうねりがあり、いかにもワーグナーらしい趣に満ちている。
シノーポリは、とかく渾然としがちな内声部にも独特のバランスを行き渡らせた表現がユニークで、明晰な読みの通った演奏はスケールと説得力にも不足はない。
オケの卓抜な合奏力も特筆に値しよう。迫力とうねりに関しては、ニューヨーク・フィルは偉大な力を感じさせる。
シノーポリはニューヨーク・フィルをやる気にさせた、数少ない指揮者の一人といえよう。
中でも「ローエングリン」第1幕への前奏曲は神秘的で崇高な感じを見事に表現した感動的な名演だし、「ローエングリン」第3幕への前奏曲も情熱と力感にあふれた演奏だ。
20世紀も終わりに近づいてこうした演奏が生まれたのは、奇跡といってもいいだろう。
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