2009年09月26日
マルティノン&パリ管のラヴェル:管弦楽作品集
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ラヴェルの生誕100年を記念して録音されたアルバムで、マルティノン&パリ管の初レコードでもあった。1975年度の仏ACC&ADFディスク大賞を受賞している。
マルティノン盤は、本場の演奏者の強味が十二分に発揮された極めて本来的な名演である。
クリュイタンス盤と比較すると、官能性やファンタジーには少し乏しい反面、それ以上のラテン的な明晰さとキメ細かさを示しており、パリ管の管楽器の絶妙な音色もたまらなく美しい。
ラヴェルの音楽のもつ、精緻できらりと光るオーケストレーションを、鮮やかに再現したもので、音色の華麗な美しさと、その品のよい表現には魅せられる。
「マ・メール・ロワ」は実に巧妙な棒さばきで、この曲の幻想的な世界を整然とまとめており、そのキメ細やかなセンスのよい音楽のつくり方には強く惹きつけられる。
「亡き王女のためのパヴァーヌ」はこの作品のもつ色彩的で、香り高い音色を、もののみごとに表現した演奏。
「道化師の朝の歌」ではパリ管から実に柔らかく、色彩感のあふれた音色を引き出しており、しかも精緻で品のよい表現でまとめていて素晴らしい。
「ラ・ヴァルス」はマルティノンの、知的で、しかもラテン的な色彩にあふれた演奏ぶりのよくあらわれたもので、ことに終結部にかけての、優美で繊細な表情の美しさは、何とも言えない味わいだ。
「クープランの墓」はマルティノンならではの綿密な演出の光った演奏で、その気品にみちた表現には、心を打たれる。ことに色彩感豊かな弦楽器の響きが素晴らしい。
「高雅にして感傷的なワルツ」でも、知的でありながら、きわめてラテン的な色彩美にあふれた音楽を作り出している。マルティノンならではの、気品のただようその表現は、見事としかいいようがない。
「古風なメヌエット」はフランス的な知性に裏づけられた、しなやかで鋭い棒さばきで、曲の雰囲気を見事に表現したものである。ことにオーケストラから引き出される、多彩な音色の美しさは、格別だ。
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