2009年09月30日
プレヴィンのホルスト:組曲「惑星」
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プレヴィン指揮ロイヤル・フィルの演奏は、実に抒情的な美しさを大切にした、SFロマンを思わせる名演である。
この演奏は、各曲の性格をしっかりと把握し、精密な計算で表情豊かに表現している。
ここにはプレヴィンの表現力の豊かさが如実に示され、スケールの大きなドラマティックな展開と、スペクタキュラーな表現効果が巧まずして表出されている。
彼はロイヤル・フィルを巧みにコントロールし、音色的にも機能的にも十分に力を発揮させながら、各曲の独自の性格や特徴を描き出す。
力感にあふれた「火星」も素晴らしいが、なかでも白眉は「木星」で、特に中間部のあの有名な民謡調の旋律の歌わせ方や、色彩的な音づくりのうまさなどは、この人でなければ表出できない独特の味である。
また「金星」「海王星」といったナンバーの表現も素晴らしく、映画音楽で苦労したヴェテランならではの、職人芸が光っている。
少しもあざとい演出を加えずに、これだけ雰囲気豊かな表現を成し遂げたのは、プレヴィンの読みの深さというしかない。
これは、プレヴィンの器用さと表現力の豊かさが如実に示された名演奏である。
オーケストラも、常にこの曲を弾きこんでいるせいか大変うまい。
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