2017年02月12日

バーンスタインのハイドン(旧盤)


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バーンスタインのニューヨーク・フィル時代のハイドンがまとめられて格安で再発売された。

バーンスタインのハイドンのよさはもっと知られてよく、シンフォニックな厚みのある演奏は、いかにも巨匠風の大芸術だ。

バーンスタインのハイドンは、精緻なアンサンブルや古典主義的な美を求めるよりは、解放的な愉悦感で一貫している。

特に《時計》は作品とぎりぎりのところで、そのバランスが美しく保たれた演奏になっている。

カラヤン盤がオーケストラの威力によって聴かせるならば、この演奏は全体にみなぎる熱気が魅力である。

指揮台の上で飛び跳ねるというバーンスタインのエネルギッシュなスタイルは、なにも激しい曲ばかりではなく、このような作品にまでもあらわれている。

一糸乱れぬ完璧な合奏力でひきあげたカラヤン盤に対し、バーンスタインの表現は、もっと開放的である。

こうしたハイドンの演奏は、バーンスタインの独壇場と言えよう。

《驚愕》は1970年代のものにしては珍しく大編成によっているが、いかにもユーモリストのバーンスタインらしい、明るく健康的なウィットに富んだ演奏で、新鮮な味わいをもったすがすがしい表現だ。

爛僖僉Ε魯ぅ疋鶚瓩噺討个譴燭覆瓦笋なハイドンの音楽がそのままバーンスタインの人柄に乗り移ったように聴こえてきて、気持ちがよい。

《V字》では、子供らしい活気あふれる無邪気さと、慈父のようなあたたかみのある気配りの対話が生き生きと浮かび出て、ハイドンの本質にふれている。

第3楽章でのユーモア感はさまざまな表情を見せ、そのこまやかさとゆたかさは他に例を見ない。

終楽章は遊びまわる子供の疲れを知らぬ活気にあふれている。

人間に対する親愛感に満ちた演奏だ。

第102番では、オラトリオ《天地創造》に通ずる気宇壮大な世界が展開され、清新な空気を胸いっぱいに吸い、心が広々とし、この世に生きるよろこびが感じ取れる。

ミサ曲第9番《ネルソン・ミサ》では、バーンスタインの切れのよいリズムの中に刻まれるハイドンの抒情が、なんとも現代的である。

と同時にハイドンの本質である完成された古典主義の造型が、この特質を明らかにしていく快さも兼ねている。

独唱者ではソプラノのジュディス・ブレゲンが抜群で、テクニックといい音楽性といい、その仕上がりは他の3人を引きはなしている。

ミサ曲第12番《ハルモニー・ミサ》では、古典的均整に行儀よく収まらず、力と行動性を持ったこのバーンスタインのハイドンは、それ故に現代の生存不安に対するヒューマニスティックな訴えを前面に押し出し、作曲者の〈健康さ〉が、病に冒された現代の人々に確かな〈救い〉を与える。

オラトリオ《天地創造》にも真の人間讃歌がみなぎっていて、この上なく感動的で、オケもコーラスもこの熱に押しまくられ素晴らしい力感をみせる。

バーンスタインの古典は、一般に見逃されているようだが、彼のハイドンやモーツァルトは、構成のしっかりした実に立派なもので、ぜひ再認識してほしいと思う。

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コメント一覧

1. Posted by フンメルノート   2009年10月05日 19:57
5 初のコメントです。

私も人生初のハイドン購入は、パーンスタイン/ニューヨークフィルのもので「時計」と「太鼓連打」のカップリングのLPでした。

お店の方に何度もいろいろ聞かせていただいて(当時はCDじゃないから大迷惑だったかも)、マリナー、ベーム、カラヤンなどと聞き比べて、バーンスタインのものを購入したのです。中学1年だったかな?
2. Posted by 和田   2009年10月05日 22:33
フンメルノートさん、コメントありがとうございます。
バーンスタインは聴き手を啓蒙してしまう音楽家ですが、貴方もそんなバーンスタインに魅了されたのでしょうね。
またのコメントお待ちしております。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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