2009年10月07日
バーンスタインのハイドン:オラトリオ「天地創造」(新盤)
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1986年、ミュンヘンのヘルクレスザールでのライヴ録音である。
ヘンデル《メサイア》への共感に発する壮麗なつくり、ハイドンの声楽曲特有の崇高さと素朴さとの融合、色彩豊かな自然描写…。こういったあたりが《天地創造》の魅力であろう。
序奏から最後の合唱まで、そのすべてを味わわせてくれるのがバーンスタインである。
まさに"熱い"演奏だ。
序奏の「混沌」からすでに並々ならぬオーケストラの描写力を感じさせる。
バーンスタインの表現は全曲にわたって、実に自然で大きく、また少しも気負うところなくハイドンの総譜から豊かな内容を引き出している。
晩年の彼らしい、ひとフレーズごとにじっくり歌い込む音の運び、そして要所要所でのパワーの炸裂。
全篇にわたってバーンスタインの体質が、強烈にあらわれた演奏で、実演のときにすこぶる燃える指揮をするこの人ならではの、熱っぽい音楽をつくりあげている。
全体に粘っこい表現だが、この曲の神秘的で重厚な性格をよく表出しているのが特徴だ。
オーケストラと合唱はともに熱演で、バーンスタインと見事に協調しており、全身で歌い奏している。
独唱陣にややむらのあるのが惜しいが、モルが最も立派。
これは、まさに、バーンスタインの個性を聴くべきディスクである。
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