2009年10月14日
アバドのロッシーニ:ランスへの旅
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《ランスへの旅》の復活上演は、アバドの仕事の中でも特筆に値する。何しろ抜群の面白さだったのだから。
ペーザロでの上演そのままのメンバーで録音したのがこれ。
ひたすら華麗・豪華に作られたこの1幕オペラを、現代最高のロッシーニ歌手たちと、その絢爛さに負けない華々しい演奏で楽しませてくれる。
錚々たる名歌手を統率するアバドも、万全の作品研究・理解に加え、たくましい覇気をみなぎらせた音楽運び、知に溺れず、情に流されない指揮で、作品の弱さを聴き手に感じさせない。
音楽から立ち昇る貴族的とも呼べる独特の香気こそ、アバドならではの魅力である。
アバドはその後もう一度ベルリン・フィルと収録していて、それも悪くない。
でもこちらは、何しろガスティア、クベッリ、リッチャレッリ、レイミー、ライモンディといった豪華な歌手たちが、巧みさを発揮するだけでなく、思う存分楽しく遊んでいるのがいい。
アバドの指揮も何か勢いにまかせ、どんどんやってやれ、みたいなところが、むしろ好感を持てる。
1825年パリで初演されたこのオペラが、150年ぶりの再演で大成功したわけで、次はまた150年くらいしてからだとしたら、これは21世紀の間、珍重されてもいい。
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