2009年10月24日
アンセルメのフォーレ
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巨匠アンセルメは1918年にスイス・ロマンド管弦楽団を創設し、以来引退する67年までの間にこのオーケストラを指揮して数多い名演を残した。
「レクイエム」も秀演で、ひとつひとつの音を大切にしながらフォーレの音楽固有のデリケートな音の綾織りと抒情的な美しさを十全に表出している。
ダンコ(ソプラノ)のソロは、情感豊かなメロディー処理のロマン性で、独特の味わいを聴かせてくれる。
また、スーゼイ(バリトン)の清潔感をみなぎらせたソロは、宗教曲になくてはならぬ透明な祈りのイマージュを歌い出していて素晴らしいものがある。
「ペレアスとメリザンド」組曲は、この悲恋物語にふさわしい運命の予感をはらんだ出だしで、切迫感に富み、高貴な悲劇の世界へと聴き手を誘い込む。
水平線の彼方へ視線を誘う広い展望感や、エーテルの浮遊のなかにかげろうように浮かぶ夢幻的な風景は精妙に息づき、色彩感も申し分ない。
フォーレの音楽の世界と抒情味を生かした演奏で、〈メリザンドの死〉の木管の扱い方など、ため息のでるようなうまさである。
アンセルメは「ペレアスとメリザンド」組曲の第3,4曲を入れ換えて演奏している。
「マスクとベルガマスク」は繊細な表現が見事で、ソツのない演奏だ。
この演奏を聴くと、アンセルメがいかに音づくりの名人であったかがよくわかる。
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