2009年06月15日
アルバン・ベルクSQ&シフのシューベルト:弦楽五重奏曲
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この曲はアルバン・ベルク四重奏団ほかの演奏が断然美しい。
若手チェリスト、シフを加えての演奏は、緊迫感にみちた劇的な表情と、豊かな抒情性を兼ね備えたもので、この大曲の持ち味を、余すところなく表現していて見事である。
極めて緊密なアンサンブルに支えられた素晴らしい熱演である。
それは第1楽章の冒頭を聴いただけでもわかる。激しくクレッシェンドして緊張を加え、ドラマを盛り上げて行く。
しかし、やがて出てくる抒情的な部分での柔らかい表現にも、この団体のスタイルがいっそううかがえる。
シューベルトがこの長大な作品にこめたドラマティックな緊張と抒情性とを、彼らは余す所なく表現しているのである。
低弦に厚みがやや不足するようにも思われるが、全編に流れる豊かな抒情性と、いつもながらの緊密なアンサンブルが一体となって秀演を繰り広げている。
特にシューベルトが自らの死を予感して作ったかのような第2楽章と第3楽章トリオは感動的で、前者でのピヒラーの第1ヴァイオリンの表情と音色の変化の速さ、艶やかさは脱帽もの。
ウィーン風の情緒を実に巧みに現代化している点も魅力的だ。
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