2009年10月29日
フィルクスニーのヤナーチェク:ピアノ曲集
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ヤナーチェクのピアノ曲の演奏には、モノラル時代から幾度も録音している作曲者の生徒だったフィルクスニーの新録音がまず挙げられる。
5歳でヤナーチェクの知遇を得、その後生涯の愛弟子となったフィルクスニーの真実味あふれる演奏である。
このピアニストにとってヤナーチェクは自身の心の一部ででもあるのか、自在さに溢れる表現で心象風景を映し出している。
なによりも魅力的なのは、ここでは我々が日頃忘れがちな音楽の原点に立ち帰らされるということで、すべての曲がまさしくかけがえのない音色と表情をもって響いてくる。
フィルクスニーは楽譜を仲介とした解釈者としてではなく、生身の人間として創造の原点から音楽を連れ出してくるかのようだ。
そうした姿勢は旧録音も同じで、そのため、むしろ同一のピアニストとは思えないほど表現される心象風景が違う。
前者が穏やかな感情の内省的な表現なのに対して、後者では、もっと感情の振幅の大きい表現が確信を持って提示される。
特に、ヤナーチェクの代表的なピアノ作品、組曲「草かげの小径にて」は、心の底を映し出す〈鏡〉でもあるのだ。
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