2009年06月17日
インバルのマーラー:交響曲第1番「巨人」/交響曲第2番「復活」
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マーラーの弟子がワルター、ワルターの弟子がバーンスタイン、そのまた弟子がインバルである。
この4人はいずれもユダヤ人だ。
インバルがマーラーを自家薬籠中のものとしているのは、そうした血の流れによるものである。
「巨人」はきわめて清潔で現代的なマーラーである。
第1楽章などはやや線の細さを感じさせるが、旋律は十分に歌い、適切な緊張感と響きの開放感が美しく息づいている。
テンポも中庸を得ており、軽やかなリズムや、なめらかなレガートの両端までの表現の幅も広い。
遅めのテンポで旋律を歌い流した演奏で、焦点を終楽章におき、それに向かってたたみこんでゆくような演出が面白い。
精密堅牢なマーラーである。
「復活」は非常に端正・精緻なマーラーである。
オーケストラの精緻なアンサンブルを生かして、一分の隙もない音楽をつくりあげている。
しかも冒頭から緊張感をもって終始一貫しており、内面的な共感も強い。
鋭い切り込みで劇的に表現した第1楽章、ロマンティックな気分をもりあげながら、柔らかく表出した第2楽章、各動機の表情づけを克明におこなった第3楽章。
しかし、圧倒的なのは第4楽章と第5楽章で、「復活賛歌」の歌詞が歌われる部分になると、よりいっそう美しい流れとなり、特にクライマックスは感動的だ。
全曲のクライマックスは明らかにフィナーレの第5楽章に置かれており、ソロのゾッフェルとドナート、それに北ドイツ放送合唱団も好演だ。
クロプシュトックの讃歌が導入される部分での感動と、その後の音楽の加熱も強く印象に残る。
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