2009年11月05日
スメタナSQのドヴォルザーク:「アメリカ」(最新録音盤)
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スメタナ四重奏団5度目の《アメリカ》が素晴らしい。
彼らの演奏の中でもひときわ精彩にあふれた名演で、技巧的な面でも信じられないほどの充実ぶりだ。
しかし、この演奏で感動を受けるのは、そういう技巧の若返りもさることながら、表現が曲の隅々まで掘り下げられ、また練り上げられ、どの部分を取ってもこれ以外にやりようがないと思えるほどの説得力を発揮していることだ。
どの音もどの表情も、メンバーの血となり、肉となっている。
スメタナ四重奏団は、その長い歴史のなかで恐らくはほとんどすべての弦楽四重奏曲のレパートリーを取り上げ切ったのではないだろうか。
そう思えるほど古典派からロマン派にかけての主要な弦楽四重奏曲作品の演奏を思い出すことができる。
数度にわたったベートーヴェン全集録音の偉業も忘れられないが、彼らが最も得意としたのが同郷の作曲家スメタナとドヴォルザーク作品であったことも確かだ。
聴いていて絶対的信頼感が持てること、そして、いわゆる民族主義的特性をもつドヴォルザークの音楽語法を母国の誇りとし、自らの血と肉としている強み、というか自信が演奏に表われている。
《アメリカ》は確かにボヘミアではない。しかし、新大陸から祖国を思う作曲家の心情に共感しているスメタナ四重奏団の気持ちが演奏を聴いていて伝わってくるようだ。
冒頭楽章の軽快さと律動感、緩徐楽章を支配する哀愁、第3,4楽章のリズムの躍動と旋律の彫琢などが聴きどころだ。
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