2009年06月25日
ブーレーズ&ベルリン・フィルのラヴェル
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ブーレーズは作曲家としての厳しい目で各曲を鋭く分析し、どの曲も寸分の隙もなくすこぶる精緻に仕上げている。
作品を客観的に見詰めながらも、演奏のすみずみにまでこまやかな情趣を浸透させるようになったブーレーズ。
そんな彼がベルリン・フィルから精妙な響きを引き出し、それに熟した熱っぽい情念を注ぎ込んで、なんともいえぬ見事なラヴェルを生み出している。
カラヤン後のベルリン・フィルは響きの精妙さが少し失われてきたような気がしていたが、しかしブーレーズはラヴェルに必要な極上の響きを再び取り戻しており、《マ・メール・ロワ》《スペイン狂詩曲》《ボレロ》はいずれもすこぶるスマート、かつ新鮮である。
なかでも《ボレロ》は、最初の淡白な表現から徐々にクライマックスを導いていく絶妙な手腕に、ただただ圧倒される。
《マ・メール・ロワ》も、この曲のもつメルヘン的な世界を精妙な筆致で生き生きと描き上げていて秀抜だ。
《ダフニスとクロエ》はいかにも作曲家ブーレーズらしい演奏で、このバレエ音楽のスコアを深く読み、一つ一つの音を的確に引き出し、作品のすみずみにまで神経を通わせている。
演奏は、組み立てがしっかりしており、鋭い棒さばきで各場面を活写し、旋律の歌わせ方もきわめて巧みである。
ことに第3場は聴かせどころをぴしりと押さえた演奏で、ラヴェルの考えた音色を生き生きと再現していて見事だ。
ベルリン・フィルも指揮者の意図にしっかりと応えていて立派だ。
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