2009年11月14日
小澤&サイトウ・キネンのマーラー:交響曲第2番「復活」
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小澤征爾の数多い録音の中でも最高傑作と評価したい、まさに圧倒的名演。
バーンスタインの濃厚と正反対の涼しいマーラーだが、小澤のベストCDに数えられる美演である。
彼はここで従来の日本的繊細さに加えて、凄絶な力感と確信に満ちた線の太さを獲得している。
テンポは速く、すっきりとした直線で豊かさよりは強い骨格を優先、色づけなしに進めてゆく。
複雑な楽器法や楽想が整理しつくされ、透明感を増し、別の曲のように新鮮に響く。音楽の純粋な美しさが裸でわかる。とにかく初めて耳にするような新しい音楽美が連続するのである。
少しも荒れ狂わない、重苦しくないマーラーがここに出現。しかも生々しい迫力は充分で、一気呵成の進行が爽快だ。
冒頭から実に精緻な表情と堅固な設計でまとめあげられており、音楽がきりりと引き締められている。
あらゆる音が有機的に生かされ、フレージングやアーティキュレーション、ディナーミクの効果も全く隙がない。
第3楽章などはメリハリが抜群で、全盛期のトスカニーニを聴いているようだ。うるさくなく、粗くなく、楽しさいっぱいである。
そして最後の第5楽章に入ると、小澤はフル編成のオーケストラと声楽陣を巧みにコントロールし、決して力まずに各パートを意味深く鳴らし、主観を加えずに音自体に語らせてゆく。
これほど完成された演奏はかつてなかったと思えるほどだ。
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