2009年11月25日
C・デイヴィスのチャイコフスキー&ドヴォルザーク:弦楽セレナード
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デイヴィスの録音は、バイエルン放送交響楽団の弦楽器群の魅力を存分に引き出した、熱っぽい演奏だ。
思いの丈を吐露するかのような深い感動があり、セレナードという以上に交響詩にも似た表現の奥深さを感じさせられる。
スケールも大きく、内容的にも充実し、指揮者の円熟の境地を示して聴きごたえがある。
チャイコフスキーでは独特の憂愁を余すところなく描出している。
このチャイコフスキーの弦楽セレナードは、ドヴォルザークの弦楽セレナードと一緒に収録されることも多く、また室内管弦楽団によるすぐれた演奏も少なくない。
しかし、この曲の場合、室内管弦楽団のスリムな響きよりも厚いシンフォニー・オーケストラの豊かな響きがふさわしいように思う。
特にデイヴィスとバイエルン放送交響楽団の演奏は、第1楽章から非常にバランスのよい洗練された豊かな響きの美しさに魅了される。
そのあまり厚くなりすぎないふくよかな響きが豊かな陰影をたたえ、繊細な抒情を紡ぎ出している。
チャイコフスキーはこのセレナードを国際的に通用する作品として古典的な形式を用いたが、デイヴィスは旋律をのびやかに歌わせながら、チャイコフスキー特有の憂愁をたたえた第2楽章のワルツや第3楽章エレジーに込められたロシア的な情感も爽やかに表出しており、両端楽章の弾力性に富むリズムと生彩あふれる表情も見事である。
またドヴォルザークも思い入れたっぷりな表現で旋律を歌わせる第1楽章、多少遅めのテンポでロマンティックな詩情を丹念に表出した第3楽章など、ヴェテランの棒さばきが光る。
バイエルン放送交響楽団の重厚なストリングスも魅力的だ。
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