2009年11月26日
ルヴィエのドビュッシー:ピアノ作品全集
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1970年代に発見され、1978年に出版された「忘れられていた映像」を含んだ豪華盤だ。
近代フランスの作品を主なレパートリーとしているルヴィエだけに、このドビュッシーの演奏にも、なみなみならぬ自信のほどがうかがえる。
その軽妙で、センスの良い表現は素敵だ。
これらの曲はともすると演出過剰におちいりがちで、ピアノ学習者の手本となるような模範的な演奏は意外と少ないが、ルヴィエの演奏は、楽曲の構造を決してゆがめることなく、楽器に忠実に演奏しているところに好感がもてる。
ルヴィエの演奏は、フランソワの激しい情熱を表出した演奏とは対照的に、おだやかなものであるが、そうしたなかにも、陰影にとんだ、みずみずしい表情にあふれている。
ことに軽快で生き生きとした表情はうまく、その豊かな色彩感と生き生きとした表情は、いかにもこの人らしい。
いかにもフランス人らしい柔らかな表情と豊かな色彩をもった演奏で、ごく自然な音楽づくりにひかれる。
旋律や音づくりなどをあまり強調しないため、やや地味なところもなくはないが、聴いているうちに完全にルヴィエのペースにひきこまれてしまう。
フランスのピアニストは、こうした技巧的に複雑なドビュッシーを弾いても、決して力まない。
その落ち着きのある演奏は、ことに東洋的神秘性のあらわれた「映像第2集」で、長所を発揮している。
「葉ずえを渡る鐘の音」の精妙な味や、「金色の魚」のコクのある表現は見事だ。
小曲でもルヴィエは、落ち着いた表現で、じっくりと弾きあげており、味わいの深い演奏となっている。
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