2009年11月29日
インバルのストラヴィンスキー:3大バレエ
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「春の祭典」はインバルが渾身の力をこめて指揮したような演奏だ。
全体にスコアの読みが深く、力強く、たくましく、この曲の原始的なリズムを強烈に打ち出す。
第1部の「誘拐の遊戯」から強くひきつけられる。
やや粘りが強く、腰が重いのはインバルの特色だが、第2部ではそうした特質がプラスに働いている。
「選ばれた乙女の讃美」から、終曲にかけての迫力は物凄く、オーケストラも気持ちがよいほどよく鳴っている。
「ペトルーシュカ」でインバルは1911年版をきわめて忠実に、いわばバレエ・ヴァージョンとして再現している。
この演奏には客観的な条件ばかりではなく、音楽のディティールもきわめて明確に、そして明解に表現されており、それぞれの声部や素材がメカニカルな印象を残さず、むしろかなりリリカルな要素もみせているのが魅力的である。
「火の鳥」はテンポがやや遅めで、全体のテクスチュアとそこにある多彩なコントラストが一層明確になっている。
オケも良くコントロールされ、透明度の高い響きと共に、スコアに含まれたあらゆる要素が自然かつ明快に描き出されている。
この曲の数多い録音の中でも、もう一度作曲の原点を考えさせられるような興味ある演奏である。
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