2009年12月23日
ガーディナーのバッハ:マタイ受難曲
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ガーディナーのアルヒーフへのバッハ/4大宗教曲シリーズの完結編。
ガーディナー盤はモダン、オリジナルを問わず、数ある「マタイ」の録音の中で最も優れた演奏と言える。
エリオット・ガーディナーが、モンテヴェルディ合唱団の充実した歌唱力と、イギリス・バロック管弦楽団の洗練された合奏力を万全に生かしながら、見事な演奏を展開している。
全体にテンポが速く、カール・リヒターの重厚な演奏に慣れ親しんだ私には、はじめ軽すぎるように感じられたが、今ではこの演奏の方が親しみやすく繰り返し聴いてみたいと思う。
速いといっても上滑りするような部分は少しもなく、緻密な音楽再現とと劇的な表現が見事に調和していて、隅々まで音楽が美しくよどみなく流れ、曇りなく音楽が再現されている。
従来のモダン楽器での演奏では、暗く重苦しい響きに満たされていたものが多かっただけに、ガーディナーの明晰でピュアーな和声の響きは新鮮な驚きを呼ぶ。
また、ドラマに対しての解釈も緻密で、作品の全容が見通しよく真実味をもって伝わってくる。
コラールでの、場面に即した多様な扱いも印象的。
独唱者陣も揃っているのもこの演奏の強みで、表現力に幅を加えたロルフ・ジョンソンが、それぞれの状況を流暢に語り出しているし、イエスのシュミットも役の苦悩をはっきりと陰影豊かに歌い出している。
その他ボニー、オッター、ベーアらが、それぞれの力を充分に発揮している。
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コメント一覧
1. Posted by yoshimi 2009年12月26日 22:47
こんにちは。ガーディナーがかなり流行っていた頃(10数年前)に、このディスクを買いました。
とりわけマイケル・チャンスの歌うアリアが一番好きで、中性的で透明感のある声には清楚な美しさを感じます。
あまり重たいタイプの演奏は相性が良くないので、このディスクはマタイの中では一番良く聴くディスクです。(普段はハイライト版の方を聴いていますが)
とりわけマイケル・チャンスの歌うアリアが一番好きで、中性的で透明感のある声には清楚な美しさを感じます。
あまり重たいタイプの演奏は相性が良くないので、このディスクはマタイの中では一番良く聴くディスクです。(普段はハイライト版の方を聴いていますが)
2. Posted by 和田 2009年12月26日 23:59
yoshimiさん、久々のコメントありがとうございます。
「マタイ」といえばリヒターやメンゲルベルクそれぞれに極め付きの録音がありますが、私もyoshimiさん同様、重たいタイプの演奏はあまり聴かなくなりました。
その辺のところは本文に書かれてあるとおりです。
それではよいお年を!
「マタイ」といえばリヒターやメンゲルベルクそれぞれに極め付きの録音がありますが、私もyoshimiさん同様、重たいタイプの演奏はあまり聴かなくなりました。
その辺のところは本文に書かれてあるとおりです。
それではよいお年を!