2009年12月27日
アルバン・ベルクSQのブラームス:弦楽四重奏曲全集(新盤)
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ブラームスの四重奏曲の美しさを堪能させてくれる。
アンサンブルは完璧といってよいアルバン・ベルク四重奏団だが、一時期のジュリアードのように精密機械を連想させるようなものではなく、もっと人間的な血のかよった名人芸である。
その特色を列記するなら、デュナーミクの絶妙なコントロール、まったく計算されたことを感じさせない自然で自在なアゴーギグ、音色の実に繊細な変化、感情の動きそのものが孤を描くような生き生きとした旋律の歌わせ方、劇的緊迫感のあふれる推進力や遅滞のない活動性、核心をつく激しい切れ込み、ほんのわずかな乱れを見せない実に精緻なアンサンブル、まるで合奏体が一つの有機体のような自在性を持つのびやかさ、個々の奏者の自発的表現力の豊かさ、楽譜の緻密で的確な読み、楽譜の記述を細大洩らさず音に実現してしまう桁外れの技術……。
さらに音色は透明でどちらかといえば明るく、しかもこの演奏では弦楽四重奏の音色は単色的だというイメージを見事に打ち破っている。
ブラームスが丹念に書き込んだ4声部が、生き生きとした表情を持ってバランス巧みに再現されている。
それに主旋律を受け持つときの各楽器が見事で、第1ヴァイオリン以下実にしっかりした演奏ぶりで、危なげがない。
彼らの実力を見せる傑出したアルバムである。
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