2010年01月02日
ルービンシュタインのシューマン&グリーグ:ピアノ協奏曲
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シューマンはすこぶる若々しく清新な気分にみちあふれた演奏である。
録音当時80歳だったルービンシュタインだが、ここにはそうした老いのかげりは少しもみられず、実にのびやかでロマンティックだ。
小細工を弄することなく正攻法で堂々と挑んでいるところが凄い。
バックもよい。
あえて苦言を呈するならは、巨大なスケールの演奏なのだが、タッチのニュアンスやデリカシーを欠きがちで、作品の夢を伝えるにはいささか不十分だ。
グリーグは肉のりの厚い音色と粘着力の強い表現に特徴があり、いかにも巨匠らしい演奏。
この曲の北欧的なリリシズムとヴィルトゥオーゾ的な性格とを、適度なバランスで表出した演奏である。
第1楽章冒頭から、ルービンシュタインの演奏は力強く華やかで、第1楽章導入部でもひとつひとつの和音に美しい余韻を響かせ、グリーグの抒情性を十分に生かす。
どんな時でも明快なタッチで、音に熱があり、豊かな表情を伴っている。
「ルービンシュタインの音楽は、その人そのものである」とショーンバーグは言っているが、この巨匠ならではの貴族的で、柔和で、かつまた情熱的な性格は、ここでも鮮明にあらわれており、ごく自然な流れを生かしながら雄大に表現している。
これに北欧らしい香りがもっと加わればと惜しまれる。
ただしバックはいまひとつ。
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