2010年01月07日
グリュミオーのルクー:ヴァイオリン・ソナタ
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ドビュッシーだけでなく、祖国ベルギーで生み出された作品を収録しているところに、グリュミオーの特別の思い入れが感じられる。
なかでも特筆すべきはルクーのソナタ。
わずか24歳で亡くなったフランクの弟子だったルクーは、たった1曲のヴァイオリン・ソナタを残しているが、これがやはり1曲のみの師のソナタ以上に切なく美しい。
これを昔から得意にしていたのが、同じフランス・ベルギー派を背負って立つグリュミオーだった。
彼は生涯にこの曲を2回録音したが、白髪のカスタニョーネのピアノと入れた、モノーラル盤の方が絶対的に優れている。
しかしモノーラル盤は一時廃盤となってしまったため、ヴァルシとの新盤で我慢するより仕方がなかったが、最近復活した。
ここでのグリュミオーは情熱的で、まるで一編のドラマのように、劇的に音楽を盛り上げて余すところがない。
ピアノがまたとても雄弁で、ヴァイオリンにつかず離れず、見事なインタープレイぶりである。
ベルギーかフランスの演奏家以外にはあまり評価されていない曲だが、このグリュミオーのファンタジー豊かな演奏を耳にすれば、近代ヴァイオリン・ソナタの重要作としてもっと聴かれてよいと誰もが感じるだろう。
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