2009年08月10日
ガーディナーのモーツァルト:ミサ曲ハ短調
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未完とはいえ、モーツァルトのミサ曲の中で最大の威容を誇るこの作品に、ガーディナーは深い思いをこめながらも、少しも構えたところがない。
ガーディナーは楽譜に書かれたすべての音をはっきりとした意図を持って整理し、飾ることなく実にすっきりとこの作品を再現している。
ガーディナーは〈キリエ〉から透明な響きと無駄のない凝縮された表現で、音楽の美しさと作品内容をくっきりと浮かび上がらせている。
〈グローリア〉の「ドミネ・デウス」での流麗なオーケストラの扱い、「クイ・トリス・ペッカータ・ムンディ」での作品内面を見据えた深い表現と充実した響き、「クム・サンクト・スピリトゥ」での毅然としたフーガの構築など、この演奏はどこにも隙がない。
この作品の威容と深く多彩な内容を、これほど心優しい表現で明らかにし、しかも聴き手に深い感動を与える演奏は初めてだろう。
またモンテヴェルディ合唱団とイギリス・バロック管弦楽団が、ともにこの上ないほど整然としたアンサンブルを展開しており、そのきっぱりとした演奏の中から、モーツァルトの才気が輝きをもって伝わってくる。
おそらく現在のガーディナーにあってもこれほどの演奏は稀にしか生み出し得ないだろう。
独唱者のすぐれた歌いぶりも特筆もので、マクネアーの清らかな歌いぶりと、モンタギューの技巧の確かさから生まれる美しい歌唱も印象的。
新しいランドン版ではなく、シュミット版を使用し、さらにそれにガーディナー自身が手を加えている。
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