2009年12月17日
クラスナー&ヴェーベルンのベルク:ヴァイオリン協奏曲/ガリミールSQのベルク:抒情組曲
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1936年5月1日に行われたベルク追悼コンサートにおけるライヴ録音。
やや貧しい録音ではあるが、歴史的記録としてだけでなく演奏の共感の深さで他に代えがたい魅力をもった盤である。
委嘱者であり初演者でもあったクラスナーが、ロンドンでの作曲者の追悼演奏会で、作曲者と同門のヴェーベルンの指揮で演奏した際の録音である。
この協奏曲の初演者クラスナーのヴァイオリンは音に艶があり、その解釈はきわめて意欲的で強弱の幅が広く、従って感情の昂揚と沈潜の対照がはっきりと浮かびあがってくる。
ヴェーベルンの指揮も起伏が大きく、同時に細かいパッセージに神経を使っており、演奏の緊張感が充分に伝わってくる。
ともかく完璧主義者であったヴェーベルンは、バルセロナでの世界初演時にもオケの指導を行なったのだが、リハーサルを重ねながらも本番前に降りてしまった。
その責任感の深さと理念の高さは、この演奏にはっきりと聴き取ることができる。
指揮者ヴェーベルンの力量を知るうえでも貴重な内容だ。
加えて、当時の巨匠たちに名作を書かせたクラスナーの情熱もここに味わえる。
「抒情組曲」のガリミール弦楽四重奏団の演奏は、柔らかい響きと洗練された感覚が作品にすっきりした雰囲気を与えている。
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