2010年01月18日

アンチェル&チェコ・フィルのショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」


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この交響曲は社会主義的リアリズムの曲として喧伝されたが、マーラー(第2楽章のスケルツォ)、ストラヴィンスキー(第3楽章のコラール)といった作曲家の影響がはっきり窺え、彼らの延長線上にある作品として位置づけるのが正しいであろう。

そうした解釈を明確に打ち出しているのが、アンチェルで、例えば、第4楽章冒頭で弦やオーボエにアクセントをつけることによって、「ヴォツェック」の幻影が聴き手にはっきりわかるような演奏をしているのである。

さすが、アロイス・ハーバのもとで微分音の作曲を学び、シェルヘンの弟子を務めただけある。

アンチェルの新即物主義的な指揮がこの作品にフォルムを与え、潤いのあるチェコ・フィルのアンサンブルが生彩を放っている。

作品の劇性を誇大に強調することのない純音楽的な表現だが、歌うべき部分は豊かな感興をもって表現され、いささかも皮相な印象を与えないのは見事というほかはない。

それはアンチェルが誠実に作品に対し、その内奥にひそむものを把握しているからだろう。

新古典主義的な様式が録音の頃の"時代"を示しているが、作品の原像を再現したといえる好演である。

この「レニングラード」は、1957年の録音であるから、チェコ・フィルが完全にアンチェルの楽器として機能していた黄金時代の記録ということになる。

後年のチェコ・フィルと比較しても、弦の厚みといい、アンサンブルの精度といい、オーケストラの実力は、断然上であることが分かるだろう。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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