2010年01月19日
ケーゲルのオルフ:カルミナ・ブラーナ
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酒、女、歌など、中世人の喜怒哀楽を歌っている。簡潔にして雄弁、これぞ作曲家一世一代の天才的な作品だ。
この曲については、一部愛好家の間で、ヘルベルト・ケーゲル指揮(2種類あるが、1960年録音のほう)の演奏が珍重されてきた。
確かに珍重に値する演奏である。
異常な興奮状態で白熱の限りをつくし、まともな精神状態とは思えないほどだ。
普通の演奏家のレッドゾーンをとっくに振りきっている。
ことに「芝生の上で」の諸曲はまさに眼前に中世人の祝祭が見せられるがごとく溌剌としている。
熱狂、滑稽、泥臭さというかイモっぽさ、生々しい欲望……それらが絶妙に配合されている。
演奏者の血が騒いでいるのがはっきりわかるし、子供ならこれに合わせて踊り出すこと間違いなしだ。
歌手が決して超一流でないところも味わい深い。その辺のお兄ちゃんが声をからして大熱演のNHKののど自慢的品のなさが、曲にピッタリ。
しかも、そのような生の歓喜をさんざん謳歌したあとに、思いがけず、あの冒頭の「運命の女神よ」が不気味な恐ろしさで回帰してくる。
いくら楽しくても、運命の采配に対して人間は無力なのだと改めて確認される、その戦慄。
スバリ、ここがこの曲のキモであり、チャイコフスキーやマーラーと共通するところなのだ。
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