2010年01月20日
カラヤンのワーグナー:管弦楽曲集
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カラヤンは、自分の芸術的理想を実現するために1964年に創設したザルツブルグ・イースター音楽祭で、まず《ニーベルングの指環》全曲を上演したように、ワーグナーの音楽に強い愛着をもっていた。
そして《指環》全曲をはじめ、ワーグナーの主要なオペラと楽劇を録音しているほか、まとまった管弦楽曲集もこの録音のほかに、同じくベルリン・フィルとの1957年のモノーラル録音と1984年のデジタル録音、さらに1987年のザルツブルグ音楽祭におけるウィーン・フィルとのライヴ録音などがある。
ただ、それらも一聴に値する名演揃いであるが、内容的に最もすぐれているのは、カラヤンが心身ともに充実していた1970年代半ばのこの2枚のアルバムだろう。
《指環》を除く主要な管弦楽曲がほとんどそろっているし、なによりも、しなやかに強い持続力と前進力をそなえた気力充実した演奏が素晴らしい。
精緻な表現を細部まで彫り美しく徹底するとともに、《さまよえるオランダ人》序曲における金管や《ローエングリン》前奏曲の弦の精妙なアンサンブルと澄んだ響き、《トリスタンとイゾルデ》の木管の美しい音色など、名手揃いのベルリン・フィルの威力が遺憾なく発揮されている。
〈ヴェヌスベルクの音楽〉のめくるめくような官能的な表現もカラヤンならではのものだろう。
ワーグナーの音楽の壮麗さと精妙さを、ともに過不足なく満足させてくれる名演というべきである。
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