2010年01月22日

リヒテルのシューベルト:ピアノ・ソナタ第21番


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シューベルトのピアノ・ソナタは今でこそ多くのピアニストによって取り上げられているが、かつては《即興曲》や《楽興の時》の陰に隠れたような存在だった。

長大な作品が多い故にまとめにくく、敬遠されがちだったのかもしれない。

1972年にこのシューベルトの最後のソナタを録音したリヒテルは、たんに長いだけではないそのスケールの大きさ、作品としての価値の高さを、演奏で威厳をもって知らしめた。

彼はこのソナタを悠然と弾き始めるが、その演奏は決して冗長には流れない。

このピアニストの確固とした構成力、鋭い集中力、そして深い精神性をもって、引き締まった流れと程良い緊張感が最後まで確保されると共に彫りの深い音楽が形作られ、全体として重厚で深々とした味わいをかもし出すのである。

かといって終始重々しく続くというわけではなく、テンポの緩急のコントラストも鮮明に描かれる。

一方この変ロ長調のソナタは、第1楽章の第2主題が嬰ヘ短調で現われたり、第2楽章が嬰ハ短調で書かれているなど、意外かつ絶妙な転調に彩られているが、それに対するリヒテルのゆるぎない構え、調和を図る対処も、見事だと言えるだろう。

そして、彫りの深い造形と厳しい緊張の糸のなかから、シューベルトならではの歌謡的で息の長い旋律が立体的に浮かび上がってくる。

音楽的な情感も豊かで、旨みのある表現が散見されるその演奏は、感動的な余韻を残す。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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