2010年01月24日

ブーレーズのウェーベルン全集(新盤)


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私見を述べさせてもらうと、ウェーベルンこそが、音楽の最後の開拓者である。

セリー音楽が行き詰まって久しいが、それはウェーベルンのせいでは、もちろんない。

理論的に可能性を追及していった結果、到達したモザイク様の音の列。しかもそこに存在するのは、感性でのみ拾える色彩の魔術であった。

第2次大戦後の現代音楽の騎手ブーレーズが若かりし頃、ベルクをロマン派の残滓と酷評し、ウェーベルンこそが手本たるべき作曲家だとほめちぎったのは有名な話だ。

しかし理詰めで行けば、無調を突き詰め12音技法を〈開拓〉していったウェーベルンの世界は正しいと思う。

このディスクは、そのブーレーズ2度目の「ウェーベルン全集」である。

たとえば作品1の「パッサカリア」。すでにここでは、やがて音楽の本質的形式とみなすに至った変奏曲が採用されている。

この曲は以前にも習作だが大オーケストラのための「夏の風の中で」という曲があるが、この作品1と同様に、後の彼の音楽とは思えない、重厚で華麗な後期ロマン派が存在する。

だが、それも来るべき時のためのステップであったと考えれば納得がゆく。

やがて無調に突入して有名な作品5の「弦楽四重奏曲」や作品6の「大オーケストラのための6つの小品」が続く。

しかし、愁眉は何といっても作品10の「オーケストラのための5つの小品」だろう。

ここでブーレーズは、そのアフォリズムの頂点にふさわしく、多彩な動機、音価、音色を繊細すぎるほど繊細に演奏しきっている。

というより伝統音楽とは何であったかを、悲しいまでに簡潔な点描音楽で問うているように思われる。

それはウェーベルンの願いでもあったのだが…。

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classicalmusic at 19:26コメント(0)トラックバック(0)ブーレーズ  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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